いつものスーツにつけるだけで、オシャレ上級者に見せてくれるカフス。
以前は、ビジネスマン仕様のものが多い傾向にありましたが、最近では遊び心いっぱいでカジュアルなものも販売されており、世代問わず誰でも使いやすいアイテムとなりました。
しかし、初心者の人がいざカフスを着けようとすると、どのように装着すればよいのか解らないことが多くあります。
そこで本記事では、カフスの基本の使い方を中心に解説します。
Contents
カフスについて
カフスのつけ方を知る前に、カフスそのものについて詳しく知っておきましょう。理解しておくと、カフスに対する関心が深くなり、つけることがより楽しく感じるはずです。
ここでは、カフスの歴史と種類について説明します。
カフスの歴史
カフスの始まりは、17世紀のフランスまでさかのぼります。当時、フランスの社交界では、男性がネクタイやリボンのように、袖口にもアクセントが求められました。
はじめは、レースやリボンを用いて袖口を装飾していましたが、次第にゴールドやシルバーのボタンを鎖でつないで使うようになります。現在のカフスも貴金属で作られていますから、面影を感じますよね。
当時のカフスは、すべてハンドメイドで作られていたため生産量が少なく、実際に使っていたのは上流階級の男性のみでした。しかし、18世紀半ばから19世紀にわたって起こった産業革命がきっかけで、大量生産が可能となり、一般市民にも広く使われるようになったのです。
また、貴金属、織物、石などさまざまなものを使って作られるようになったため、デザインもバライティーに富み、ユニークなカフスが増えていきました。
そして現在、カフスの流通は世界中で行われており、日本でも男性のオシャレのたしなみとして欠かせない存在となっています。
カフスの種類
カフスは、袖口の留め具の形によって種類が分かれています。
代表的なカフスの種類は次のとおりです。 画像による解説を見たい方はコチラ
- スウィヴィル式(レバー式)
最もオーソドックスで、使いやすいタイプの種類です。
留め具がばね式になっており、T字の留め具を90度倒してからシャツの袖口に通した後、再び起こしT字に戻してつけます。
- チェーン式
モチーフと留め具をチェーンで繋いで使用するタイプで、17世紀中盤から20世紀前半にヨーロッパの貴族の間で主に使われていました。
フォーマルな場面よりも、カジュアルな場面での使用に適しています。
- 固定式
留め具の部分が固定されており、袖口に挿して留めるタイプのカフスです。留め具とボタンホールのサイズが合わないとうまく装着できないため、購入するときは注意しましょう。
- ラップアラウンド式(ロール・カフリンクス)
留め具はスウィヴィル式で、メッシュや革のベルトがついているカフスです。ラペルピンとして用いることもあります。
- スナップ式
カフスを2つに分け、スナップボタンで繋げてつけます。20世紀前半に流行した歴史あるカフスです。
- 紐式
留め具の部分にシルクやゴムを使用したタイプで、カジュアルな服装によく合います。金属製ではないため、ぶつけたときに音がせず、破損しにくいこともうれしいポイント。
価格も比較的安価なので、カフス初心者も気軽につけられます。
基本のカフスのつけ方
初めてカフスをつけるときは、まず基本の使い方をマスターしましょう。
ここでは「カフスのつけ方の手順」と「よくある失敗例」について説明します。
カフスのつけ方手順
今回は、既成シャツの約6~7割を占めるコンバーチブルカフスタイプのシャツに、最もオーソドックスなスウィヴィル式のカフスを使う場合のつけ方を紹介します。
手順は次のとおりです。
- 袖の裏側と裏側を合わせるように重ねる
- ボタンのついていないほうの袖から、カフスを通す
- カフス留めを固定する
カフスで袖口を留めるときは、通常ボタンで袖口を止める場合と袖生地の重ね方が異なるため注意しましょう。コンバーチブルカフスタイプのシャツにカフスをつけるときは、袖口のボタンが隠れるようにして装着します。
ボタン側にカフスの留め具がくるので、デザインの邪魔にならず見栄えに影響はありませんが、装着の妨げになるのであれば、あらかじめボタンをとってしまってもよいでしょう。
基本的に、コンバーチブルカフスタイプ以外のシャツもつけ方は一緒です。
ダブルカフスタイプなど袖に折り返しがある場合は、4枚生地を通して装着します。しかし、カフスの留め具のタイプがチェーン式や固定式で、かつサイズが大きいと、4枚生地に通しにくくつけられないケースもあります。
カフスの留め具によっては、シャツのカフス穴のサイズとの相性も考慮して選ぶことが大切です。
カフスをつけるときによくある失敗
カフスを初めてつける場合、慣れていないため失敗することもあるでしょう。
ここでは、カフスをつけるときにありがちな失敗例を2つ紹介します。事前に知っておくことで、予防法が分かり回避できますよ。
失敗例1.袖口を上下に重ねて装着する
前述で少し触れたとおり、ボタンとカフスでは、袖口を留める方法が異なります。しかし、カフスのつけ方に慣れていないと、通常のボタンと同様に袖を上下に重ねてつけてしまう人が少なくありません。
カフスは、基本的に袖口の裏同士を合わせ、ボタン穴を重ねた上からカフスを通して生地を合わせ留めるようにつけます。
失敗例2.カフスボタンの向きが逆になる
カフスボタンのボタンと留め具を逆につけてしまうことも、初心者にはよくある失敗の1つです。ボタンの表側が、腕の外側にくるように正しく装着しましょう。
カフスボタンは、腕の内側からカフス穴に通して留め具で固定します。つけた直後は腕の内側にカフスボタンの表側がきている状態ですが、ボタンの重みで腕の外側に移動し、結果的にデザインが腕の外側にきます。
失敗例1と同様に、慣れないうちはカフスの取扱説明書を確認しながら慎重につけていきましょう。
カフスの保管方法
カフスは、貴金属、鉱石、宝石などで装飾され、非常に見た目が美しいのですが、その反面、繊細で傷みやすい特徴があります。またとても小さいため、うっかり紛失してしまう恐れもあります。品質を損なわず、美しさを長く持続させ、紛失を防ぐためには、丁寧に保管することが極めて重要です。
カフスを使い終えた後は、専用のケースもしくは1セットずつ小分けに出来る柔らかい巾着袋に入れて保管しましょう。収納する前には、柔らかい布で皮脂やほこりなどの汚れを拭き取ることも忘れずに。カフスの素材によっては、酸化して変色する恐れがあります。
保管場所は直射日光を避け、高温多湿にならない場所を選ぶことも、カフスの品質を保持するために大切です。
カフスマニアでは、カフスの保管管理を重要視しており、収納ケースを多数ご用意しています。品質保持機能はもちろん、本革使用で高級感漂うデザイン性も魅力で、カフスを美しく収納できます。
また、カフスだけでなく、タイピン、眼鏡、スマホ、ペンなどビジネスで欠かせないアイテムすべてを収納できるタイプもあり、お仕事の効率アップに役立ちます。
収納ケースをお探しの方は、次のリンクからご覧ください。
まとめ
カフスは、17世紀のフランスで始まって以来世界中に流通し、日本でも男性のオシャレに欠かせないアイテムとして使われています。
種類も豊富で、留め具の形状によって分かれており、代表的なものには「スウィヴィル式(レバー式)」「チェーン式」「固定式」「ラップアラウンド式(ロール・カフリンクス)」「スナップ式」「紐式」があります。
本記事では、基本のカフスのつけ方を紹介しました。初心者によくある失敗として「袖口を上下に重ねる」「カフスボタンの向きが逆になる」ことの2つがあるため、慣れていないうちは鏡を見ながらゆっくりとつけることをおすすめします。
カフスの基本のつけ方をマスターし、袖口のオシャレを楽しみましょう!